日々の売買の記録とか考えたこととか

2017年10月

学情

学情が上がっている。
こうなってみると、もっと買って置けば良かったと思うのが人情だが、まあ買った当時は余力があまりなかったというのもあるし、仕方ない。逆に下がっていたら、いっぱい買わなくて良かったと思っているはずだし。
ただ、100株だけでなく最低200株買っておけば、ある程度上がったら100株売れる。
要は種の割りにあれもこれも買いたがっているということであろう。

アステラス製薬株主説明会

今日、アステラス(4503)の株主説明会に行ってきた。
毎年株主総会は東京で開催されるが、それを補う形で、大阪と名古屋で隔年で株主説明会が開催されているらしい。なので、社長の会社説明は株主総会での説明と大きく違わないとのこと。

場所は、大阪城公園駅近くのホテルニューオータニの2階広間。雨が降っていたが、駅を降りてから会場まで案内板を持った社員と思われる方々がいて迷うことなく会場まで到着できた。

3000人近い参加者とのことで、会場の部屋に入るまで行列ができていた。

昼の12時開場、13時開始。平日の昼なので、年配の方々が多かった。

13時になるとともに説明会が開始。
畑中社長の説明が約40分くらい。その後、株主からの質問に答える時間が50分くらい。

社長の会社説明のメモ。
・経営理念、VISIONの説明。
・製薬企業を取り巻く環境の変化。
・持続的成長
・ROE 15%以上を目指す。
・がん、泌尿器、移植免疫の主要3領域で売上の50%以上。
・がんはイクスタンジ。
・泌尿器は特許の切れるベシケアからベタシスにうまく切り替わっていっている。これら2つはメカニズムが違う。
・イノベーションの創出
ネットワーク型研究体制、プロセス複線化、人事制度
・重点研究領域は、
既存領域の、がん、泌尿器、免疫科学、腎疾患、神経科学。
新疾患領域の、筋疾患、眼科。いずれも重篤なものを想定。
・新薬創出力の強力化
Best Science, Best Talent, Best place
FASTEN
テーマによって、方法を変える。経営資源重点投入、最速POC、外部資源活用。
・OCATA社の買収 眼の再生細胞医療
・Operational Excellence 経営資源の最適配分
グローバル皮膚事業の譲渡、特許切れの長期収載品の譲渡など。
・売上高、営業利益、研究開発費などの説明。
・配当36円
・自己株式取得 2016は914億円。
・売上(利益?)、人員の60%が海外。
・Access to Health
シャーガス病(産総研)
経口コメ型ワクチン(東大医科研)
Access accelerated
アンチドーピング
以上、畑中社長の説明。

質疑応答は以下の通り。
Q1 最近の株価の低迷について、藤沢と山之内が合併したメリット、アステラスの特徴について
A1 イクスタンジの海外売上が低迷していること、2件の開発中止が影響しているのかもしれない。
グローバルでの体力体制づくり、研究開発への健全な投資。合併前は500億円弱× 2の研究開発費が2300億円になった。経営の意思決定が速くなった。

Q2 再生細胞医療について。どの程度技術が進んでいるか。外部研究機関との連携は。
A2 つくば研究所で再生医療の研究。OCATA社(米)の買収。ES細胞による眼の網膜の治療。

Q3 畑中社長の座右の銘は。
A3 特に座右の銘といえるものはないが、1つ新しいことを始める時は、3つ諦めなければならない。

Q4 自社株買いの効果が見えにくい
A4 事業への投資、配当、自社株買いの順。配当と自社株買いを合わせた実質配当性向は70~100%となっている。

Q5 昨日NHKで人体という番組を見た。腎臓に対する薬の開発状況は。
A5 プログラフは腎臓移植の拒絶反応をおさえる薬。P3に慢性腎臓病の貧血に対する薬ロキサテスタット(?)。慢性・急性腎臓病に対して取り組み中。

Q6 鈴木カップリングを例に出し、コストの低減、技術の流出・逆輸入について
A6 技術の排他性、汎用性によって対応が異なる。

Q7 株価1位になるつもりは。
A7 時価総額3兆円。武田は4兆円。2014年に株式5分割している。株価×株式数。

Q8 人材育成、人事制度について
A8 グローバル経営への社内教育。プリンシパルインベスター(?)制度。30代研究者へ大きな権限を持たせる社内ベンチャーみたいなもの。いずれ、この薬はこの制度から生まれたというような報告ができるかもしれない。

Q9 再生細胞医療について
A9 眼科領域で、失明につながる疾患のように重篤度が高いもの、具体的には後眼部の疾患。

Q10 いつまでにどのくらいなどの数値目標を聞きたかった。夢など。
A10 東京での株主総会と内容がかけ離れてはいけない。データ、エビデンスがあるものについてのみ話している。大きなことを言って患者さんに不必要な期待を持たせてもいけない。

Q11 スライド中の、短期的に貢献し始めることを期待、という剤について許可はいつ頃。
A11 申請済みのもの。許可はそれぞれ異なるが、統計的には申請から1年以内。

Q12 新疾患の筋疾患について。投資とリターンの比率など。
A12 アトロピー(?)。筋力が衰える病気。動けない、呼吸ができないなど。これらの領域は、他社と闘えると見込んで投資している。データが出たら共有できる。

Q13 新たにウォッチングしているエリアについて
A13 経済成長、一人当たりのGDP、各国の医療制度。日米欧が中心になる。あとBRICs。薬を全世界に届けたいが、各国の医療制度や病院の体制が整っているところが対象となる。

Q14 特許切れの自社品をジェネリックとして売らないのか
A14 オーソライズド・ジェネリックのことと思う。自社で続けて売るか、他社さんに任せるかはそれぞれの製品ごとに考える。

Q15 アステラスの薬で病気が治った・体調がよくなった。ありがとうございます。株価を上げて欲しい。薬の価格は下げて欲しい。
A15 患者さんからのそのような言葉は励みになる。
薬価は、その治療の価値を周囲と比べて設定される。

記憶違い・書き間違いあるかもですが、だいたいこんな感じであった。

最後にお土産をもらって終了。

感想
畑中社長の頭の回転の早さが印象に残った。想定される質問が多かったとは言え、答えにくい質問に対しても的確に答えを返していく姿を見ていて、とても頭のいい方であるなあと思った。

開発中のポートフォリオの一覧を見ると、かなりの数が後期に位置しており、現在株価が中長期的にジリジリ下がっているが、ホールド、買い増ししてもいいかもしれないとも思った。。。が、それなりの期間は耐えなくてはいけないかもしれない。